パレーゴ実践事例

東京都江戸川区 北小岩小学校 主幹教諭:小池 孝之 先生

実践の展開

1. 実践の展開(概要)

パレーゴのプログラムを利用して、オンライン上でオーストラリアの児童とメールのやり取りを行う。

・活動の動機付け

教師が児童に単純にやり方を教える一方通行の教育だと、どうしても児童は受け身的になってしまう。しかし、パレーゴでは人間を相手にしたコミュニケーションを目的としているため、より仲良くなろうという動機付けを与えることができ、児童が自分から動いていた。
外国の同年代とメールをするために、児童が能動的にパソコン室に通い、今まで習うものだったパソコンを道具として使っている。そこに加えて、自分の国とは違う文化をコミュニケーションを通して知ったり自ら調べたりする機会を与えてくれるので動機付けには非常に適したツールだと思う。

・コンピューターと文章作成

キーボードのローマ字入力の実践機会として、メールを書いて送るのは適していると思う。作文と違ってメールは相手を意識でき、まとまった文章を作る必要があるのでパレーゴのフリーメッセージ機能を使った文章作成は文章力向上に役立っている。
また、基本的に児童にはパレーゴを自由にやらせてはいるが、メールを送る相手が居るということを意識させて、ただメッセージを送るのではなくネチケットも身に着ける狙いもある。

2. 実践の展開(概要)

・時間

メールを使ったコミュニケーションなので、必ずしも授業で一時間全部を使う必要が無いところが良い。パレーゴを気に入った児童は、昼休みの時間に開放されているパソコン室に行ってその間にメールチェックと返事をこなしている。このような、授業ではないすきまの時間にも活用できるのは有難い。

・敷居が低い

自分で一から文章を考える必要が必ずしもなく、例文の中から選んで文章を作成していくことができるので英語が苦手な児童でも負担が少なく英語を使うことができる。また、始めから例文や単語が用意されていて辞書を引いて調べる必要もないので、慣れていれば短時間でメールを打てるので使いやすい。

・ログ機能

児童がやり取りしたメールをログとして教師が全部閲覧できるので、学期末に児童の学習全体を振り返るとき大変役に立った。ログで確認しながら、児童のメッセージに個別にコメントも付けやすかった。

3. 実践後の効果(児童の変容)

・英語を嫌いにならない

ALTを使った英語の授業ではオーラルが中心なのでALTが何をしゃべっているかわからない児童は置いてけぼりにされやすいが、パレーゴでは日本語訳付のメール作成なのでみんなが同じように使える。そのため、英語がわからなくて嫌いになるという児童が出てこなかった。

・能動的に動く

実践の展開にも書いたように、児童が昼休みなどに自分からパソコン室へ行き、進んでパソコンを使うようになった。海外の同年代の友達とコミュニケーションを取るという動機から、パソコンやパレーゴをただ習うのではなく交流や目的のために道具として使いこなして活用している。 また、こちらが用意したやり方ではなく、児童が自分で発展させていくところが面白い。例えば、より便利な使い方を児童自身が試行錯誤して見つけようとしたり、別の機会でほんの少し言及した翻訳サイトをとある児童がフリーメッセージに利用するアイディアを発見し、それがその児童を起点にどんどん伝播していった。

本時の学習内容

○単元・項目(何の教科で実践したか)
総合学習:国際理解

○指導目標
オーストラリアの友達との交流

○評価(評価規準例)
・パソコン・パレーゴプログラムの取り扱い方法(習熟度)
・ログイン方法の理解
・メッセージ内容・たくさんの友達へのメッセージ送信

指導略案

○全体で何時間、生徒数、実践月日
15~20時間
1学期だいたい7時間
6年生(66名)

学習活動 生徒の活動 指導上の留意点
導入 ・パレーゴのプログラムに慣れる ・モデル生徒やモデル例文を取り上げて紹介することで、みんなに良い事例を知ってもらう。
展開 ・オーストラリアの友達とメールを通して交流
・始めは挨拶・自己紹介から。その後は趣味など自分と相手についてのコミュニケーション
予定:調べ学習
・パソコンが一人一台ずつなので、児童同士がお互いに助けられる環境を作った。
操作などがわからない児童の隣にそれを助けられる児童を置いたり、良いやり方・良い例文などの情報交換を促したり、など。
・日常や普段の授業からオーストラリアと比較できる事柄を意識させておく。
まとめ ・個人の興味を元にメッセージのやり取り
予定:調べ学習の発表
児童のメールやり取りのログを確認して、コメントを付けて次のメール作成に活かしてもらう。

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